妊婦健診とは

院長の診察の様子

妊娠が確認されると、出産までの期間は定期的に妊婦健診が行われます。妊婦と生まれてくる赤ちゃん(胎児)の健康状態(病気の有無や先天異常の可能性 等)を一定の間隔を空けて確認していきます。それ以外にも、妊娠や出産、その後の育児に関するお悩み等について、医師や助産師に相談できる機会の場も設けております。不安など話したいことがあれば遠慮なくご活用ください。

なお当院は、分娩施設はございません。そのため32週までの妊婦健診を行います。セミオープンシステムでの妊婦健診や里帰り出産を希望する場合が対象となることが多いです。(分娩施設の指示で、妊婦健診の時期や検査項目は変わります)

また健診内容につきましては、妊娠週数によって変わっていきます。毎回行われる検査については、以下に記載した通りです。また妊婦健診を受診するにあたっては、着脱しやすい服装(経腹超音波検査の時に腹部を出しやすい、採血時に腕まくりしやすい、フレアスカート 等)を心がけてください。また靴はヒールを避け、お化粧に関しては顔色が確認できる範囲(ナチュラルメイク)に留めるようにしてください。

セミオープンシステムとは

「妊婦健診は自宅や職場の近くなど通いやすいクリニックで、分娩は設備の整った連携病院で行う」をコンセプトに作られた周産期ネットワークシステムです。分娩前に数回、分娩施設での妊婦健診を行う場合がほとんどです。対象となるのは、持病などがなく経過が順調な妊婦さんです。切迫早産などの合併症が起きた場合などは速やかに連携病院へ受診できます。

妊婦健診の間隔

  • 妊娠12週頃まで 2週間毎
  • 妊娠14週〜24週 4週間毎
  • 妊娠24週〜転院まで2週間毎

妊婦健診で毎回行われる基本項目

  • 問診、診察(内容は妊娠週数で変わります。必要であれば内診も実施)
  • 血圧測定(妊娠高血圧症候群の有無を確認)
  • 尿検査(尿たんぱくや尿糖の有無を調べます。尿たんぱくで妊娠高血圧症候群や腎機能低下の有無、尿糖で妊娠糖尿病の可能性の有無を確認)
  • 体重測定
  • 超音波検査(経腟あるいは経腹超音波検査になります。母体の異常の有無、胎児の様子等を確認)
  • 保健指導(食事や生活に関するアドバイスをはじめ、不安やお悩みのご相談にも応じます)

また上記以外の妊婦健診として、必要に応じて医学的検査が行われます。内容に関しては、妊娠週数によって変わります。主に以下の検査が実施されます。結果によっては追加の検査が必要になることがあります。

妊娠初期
血液検査【初期に1回】
  • 血液型(ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体)
  • 血算(白血球、赤血球、血小板の数・大きさ・容積など)
  • 血糖、B型肝炎・C型肝炎
  • HIV抗体
  • HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)抗体
  • 梅毒血清反応
  • 風疹ウイルス抗体
  • トキソプラズマ
子宮頸がん検診(細胞診)【初期に1回】
妊娠18~19週頃
  • 胎児スクリーニング超音波検査
  • B群溶血性レンサ球菌の検査
妊娠24週~28週
血液検査【期間内に1回】
  • 血算
  • 50gグルコースチャレンジテスト(妊娠糖尿病のスクリーニング検査)