不妊症とは

不妊症とは、妊娠を望むカップルが避妊をしないで性生活をしているにもかかわらず1年間妊娠しない場合をさします。

不妊症の原因は、男性因子、女性因子、両方の原因ともある場合があり、さらに原因が特定できないといったケースも少なくありません。
一般不妊検査として、基礎体温測定、超音波検査、ホルモン検査やクラミジア感染症の検査、卵管疎通性検査、精液検査などがあります。

不妊症の原因の説明イラスト

まずは一般不妊治療のひとつでもあるタイミング療法を行います。これは自然妊娠による妊娠を目指すもので、6か月程度のめやすで続けます。効果が乏しい場合は、排卵誘発剤による治療を考慮します。
男性因子を認める場合、人工授精や体外受精が選択されます。
(当院では、人工授精や体外受精を希望される場合は連携医療機関を紹介します。)

タイミング療法、卵胞計測とは

妊娠する確率が高いとされているのは、排卵日の2日前〜排卵日とされています。したがって、その時期にできるだけ併せて性交を行うと妊娠する確率が上がります。
経腟超音波で卵胞の大きさを計測して、排卵日を予測します。1周期に複数回、経腟超音波による卵胞計測をすることもあります。そのほかにも尿中に含まれる黄体形成ホルモン(LH)をチェックすることで排卵日を予測することもあります。

排卵誘発剤によるタイミング療法

排卵誘発剤を使用して卵胞発育を促し、経腟超音波による卵胞計測を行い性交のタイミングを指示します。具体的には、クロミフェンやレトロゾール等の内服薬、あるいは、HMG、FSH、hCGの注射薬などを使用し、卵胞の発育を促進させることで、排卵を誘発していきます。

排卵誘発剤の影響で、複数の卵子が排卵されることがあり、妊娠が成立する可能性は高くなっていきます。ただその一方、同剤の使用によって多胎妊娠、あるいは卵巣過剰刺激症候群による卵巣の腫れ等の副作用がみられることもあります。発育した卵胞数が多すぎる場合には、副作用を回避するために、その周期にはあえてタイミングをとらないこともあります。

これらの不妊治療を半年~1年程度続けても妊娠しない場合は、次に人工授精や体外受精が選択されることになります。
当院では、体外受精などの生殖補助医療を希望される場合は、連携医療機関をご紹介いたします。